パオレーツオブカリビアン事件
今朝おしっこを出さずにウンコはできるのか検証していたら、小学生二年生のときに起きた出来事を思い出しました。
「クリスマスなのに汚い話をするな」
という人もいるでしょう。
じゃあ言わせてください、
「サンタもウンコするから」
嫌でしょうサンタがプレゼント持って
「フォっフォっフォっ よいこにはプレゼントをあげよう。」
「その代わりトイレ貸して」
なんて言われたら。
だからこの話を止める権利は誰にもないのです。
2006年7月22日。その日はいつもよりテンションが上がっていました。
パオレーツオブカリビアンシリーズの最新作「パイレーツオブカリビアン/デットマンズチェスト」の公開日だったからです。
当時の小学生男子はパイレーツにどハマりしていました。変な意味じゃなく純粋にハマりまくってました。
もちろん僕も例外ではありませんでした。
お気に入りはもちろんジャック・スパロウ。奇想天外の行動とたまに見せる優しさに第1作目で虜になってしまいました。
公開が決定するや否や母親とチケットを予約をし、
(ジャック!ジャック!)
と親に感情を悟られないようにしながら心の中で叫んでいました。
まだ親が怖くて真面目くんだったときなのであまりはしゃげなかったのです… 詳しくはこちらをご覧ください。
https://kazuuu.hatenablog.jp/entry/2018/12/20/001907
上映の時間はお昼すぎだったので、近くのフードコートで食事をすることにしました。
そこのフードコートにはたくさんの種類のご飯が置いてありました。
父と母はたしか、ハンバーグを食べていたと思います。
僕は朝昼晩をラーメンで過ごせるくらいのラーメン愛好家なので、選択肢は一択でした。
さらに、その日は機嫌がよかったのか
親が
「ジュースも飲む?」
と聞いたので、即答で
「コーラ」
と醤油ラーメンと合わせるべきではない飲み物の上位に食い込んでくるような飲み物を選択をしてしまいした。
でもその時は
(まあ、ジャックに会えるからな)
とお構いなく食事を楽しみました。
少しゆっくりしすぎ、小走りで映画館に向かい座席につきました。
早めに予約したおかげで、館内のど真ん中に座ることができ、これ以上ない状態で上映開始を待っていました。
そして、画面が暗くなり
(いよいよジャックに会える…!!!!)
と体を起こしたとき下腹部に違和感を感じました。
尿意が襲ってきたのです。
(1ヶ月以上楽しみにしていたのになぜこのタイミングで!!!!!!)
画面上でシンデレラ城がキラキラしているのを脇目に焦りに焦っていました。
(待て待て、ここまで最高のコンディションできたのに冒頭を見逃すわけにはいかない。
車の中でトイレに行きたくなった時もにぎにぎしてたら結構な時間耐えられたから平気なはずだ)
と軽くにぎにぎしながら映画が始まりました。
前半は、最初ジャックが出てきた喜びで”こんにちは”しそうになりましたが集中して見ていることができました。
(うわー やっぱりジャックはかっこいいなー)
と画面に釘付けになりつつにぎにぎしていました。
しかし、2時間半という長丁場。当然耐えられるはずがありますん。とうとう小学二年生の小さな膀胱が悲鳴を上げ始めたのです。
にぎにぎのスピードはすでにMAXの状態でしたが、それでも耐えられないレベルに達していました。
途中、腕が疲れたから反対の手を使ってみたけれど利き手じゃない分力が足りなく(これはダメだ)と判断したため、握力も結構キテいました。
「流石にやばい」
と思って、トイレに行こうと思ったときその日最大の失敗を発見しました。
(座席ど真ん中じゃん…)
たとえ今出て行っても、確実にカニ歩きという尿意を助長させる動きをしなくては行けない。しかも、映画もいいところだからタイミングの悪さに憤慨し、ど突かれる可能性も捨てきれない。
そんなことを考えていると、 席についた時真ん中の席で王様の気分になっていた自分がバカに思えました。
足を組み、両サイドの肘掛を占領するという映画館でうざいと思われる行為のフルコースをかましたくせに、今は息子をにぎにぎしてうずくまるというアルマジロ状態です。
今思えば、この状況になるのは必然だったといえます。
フードコートでラーメンを食べたせいで喉が乾き水分をとりすぎたこと。ジュースでよりによって利尿作用の高いコーラを選んでしまったこと。親の食べ終わりを待っている間に寝てしまってトイレに行くことなく座席に座ったこと。
今日行ったこと全てが裏目に出ていました。
そんなことを考えていたら、映画がついに終わりました。
場内が明るくなったと同時に、爆速でトイレに駆け込みました。
必死でチャックを降ろし息子を拘束から解いた時の開放感は今でも忘れません。今まで感じたどの快楽よりも気持ちよかった。
絶対無理だと思った高校受験に合格した時の100倍は気持ちよかった。
息子も、
「やっと解放されたんだ…!」
と学校のやたら勢いの強いホース並みの水圧で喜びを表現していました。
あの時、我慢し続けたことで忍耐力の大切さを実感することができたし、自分の底知れぬ力にも気がつくことができました。
次の日残ったのは映画で活躍するジャックの姿や派手な戦闘シーンの記憶ではなく、左手の筋肉痛と赤くなった息子の姿だけでした。